今回の常陸国風土記を歩く会の皆さんへのご案内は、旧石岡の北西端にある龍神山、その南の山麓に広がる台地にある平成2年8月にオープンした常陸風土記の丘の園内です。 龍神山を背景に南に広がる台地は「生涯学習の里づくり」並びに「鹿の子史跡公園整備」事業を計画したことによって昭和63年8月から平成元年2月まで石岡市教育委員会によって発掘調査が実施された。その結果、台地上の全面に集落跡の存在が想定され、旧石器時代から奈良時代にわたる大遺跡であることが判明した。これが宮平遺跡である。そこに常陸風土記の丘が造られました。
風土記は西暦七一三年、元明天皇の詔によって編纂された奈良時代の地誌で、地形、産物、地名の由来、土地の昔話などをまとめた報告書である。編纂、提出された全国の風土記の中で、今日までまとまった形で伝わっているのは、常陸、播磨、出雲、肥前、豊後の五ヶ国の風土記にすぎず、その中で「常陸国風土記」は他の国の風土記に比べ、すぐれた漢文調で書かれていることから、編纂者は学問的素養の高い人であったことが指摘され、当時の常陸国守・藤原宇合(藤原不比等の三男で藤原鎌足の孫にあたる)の名が挙げられている。宇合は、西暦七一九年から七二三年(25歳〜29歳)までの在任期間に奈良時代の歌人、高橋虫磨呂らと共に常陸国衙において「常陸国風土記」を編纂し完成させたと言われている。 常陸風土記の丘はこの「常陸国風土記」にちなんだもので、古くからうるおいのある文化を築き鹿の子遺跡をはじめ、数多くの文化的史跡や名所旧跡、民族芸能が伝承されてきた歴史の里・いしおかの歴史的財産を有意義に活用し、歴史、伝承、体験学習、スポーツ、コミュニティーなど、子供からお年寄りまで世代をこえて心のふれあえる余暇活用施設となっています。 平成二年八月オープン当時は敷地面積が約9万u(現在はハイキングコース等、拡張されています)、園内は有料ゾーンと無料ゾーンとに分かれています。 では、有料ゾーンからご案内しましょう。
すでに何回か散策なさっている方が多いと思いますが、どうぞ旧石器時代からの先人の温もりを肌で感じながら、常陸風土記の丘の秋の装いをごゆっくりお楽しみください。 毎土、日、祭日は有料ゾーン内にて、石岡市歴史ボランティアの会員が皆さんをお待ちしております。必ずや石岡の歴史について新しい発見をしていただけると思います。 入園料大人310円、子供150円となっております。 又、期間限定の石岡市観光巡回車が、秋2009年9月〜11月、春2010年4月〜6月のいづれも日曜日、祝日に、常陸風土記の丘、茨城県フラワーパーク、やさと温泉「ゆりの郷」等、石岡市の観光スポットを専用車にて巡回開始しています。一日フリー券、大人1000円、子人500円。詳細は石岡市観光案内所☎0299‐24‐5001(JR石岡駅前)まで。是非、巡回車で石岡の歴史とともに豊かな自然もご堪能下さい。 今回は、常陸風土記の丘内のご案内と、多くの方にご利用頂きますように石岡市観光巡回車のご案内もさせて頂きました。 次回は、風土記の丘に近隣して鎮座している村上佐志能神社、染谷佐志能神社をご紹介いたします。 (参考資料・常陸風土記の丘ガイドより) ・祭り太鼓に 金木犀も匂いのすがた舞う
ちえこ
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