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歴史随筆(12)      打田 昇三  (2009.6.1)

 

ネコの王様  2009.6.1

 「地球は平面である」と信じる会が近代まで一流先進国に存在していた。

コペルニクスやダビンチらが頑迷な宗教に妨害されながら地動説を展開し大航海時代で新しい航路が開けたのは、十五、六世紀頃である。

「地球が回転する」ことは古代ギリシアの学説でも主張されていたが相手にされなかったらしい。

 エジプトがアッシリアに支配されていた紀元前六百年代末に占領軍を追い出し第二十六王朝を開いた王様がいる。

その息子はネコ二世と言い、開明的で海洋民族のフェニキア人に船でアフリカ大陸を一周させ、地球が丸いことを立証している。

コロンブスの新大陸発見より二千年以上も前のことである。 

 貴重な発見や主張が、思想や宗教など人間の思い込みで潰されてしまうのは惜しい。

その最たるものが戦争でありネコ二世の孫は内戦で捕われ、家臣に処刑された。 

「猫」はエジプト人に飼い馴らされたリビア山猫が元祖だとか…。

偶然だがネコ二世の王朝はリビア系のエジプト王朝なのである。― わが家の老猫は今日も平和に寝ている。