ギター文化館発「常世の国の恋物語百」第26話

難台山城 落城哀歌

 古里に生まれた新しい舞台表現「朗読舞」の女優小林幸枝が、その舞の表現スケールを益々にアップして、常世の国に語り伝えられる南北朝争乱の秘話を方丈記に導かれて舞いに演じます。

方丈記を舞いに表現するのも、また手話に演ずるのも、日本で初めての試みのことと思います。  

敗戦を覚悟した小田五郎藤綱は、妻を呼ぶと「たとえ命落すとも、そなたを思い、子を思う我が心は消えぬ。亀若を連れて、宍戸の領に逃げろ。そして、子忍の森に身を隠し待て。私は伝説の狐に姿をかりても必ずや逢いに参らむ」と伝えた。子忍の森は、岩間の押辺の地名の由来になったと言われ子忍の森の事は、更級日記にも「…ここはいづことかいふと問へば、子忍びの森となむ申すと答へたリしが、身にそへられて、いみじく悲しかりしかば、馬より降りて、そこに二時なむながめられし」と書かれてある。

脚本:演出 白井啓治  音楽 野口喜広  舞台背景画 兼平ちえこ  舞台装美 小林一男

方丈記(序より)

行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、

久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人の栖と、

またかくのごとし。

……略……  

天皇なる支配者一族どもの驕った内輪揉めなんぞに義心の建前を弄び、子女民衆の痛みを覚えるのを忘れ

果てた武き男どもの哀れといったら、評す言葉の探すのも難しいことぞ。

亀若が成人いたしましてからは、私一人が供養の思いに月の命日には、この森に一夜を過ごし、月の明りの下

に舞い、藤綱殿を忍んだのでございます。

 

一の舞い『おろか』

男の愚かも

女の愚かも

愚かに違いはない

男にも

女にも

            愚かとは盲目すること

 

生涯学習として平家物語全句朗読に挑戦する兼平良雄(ことば座特別研修生)

第二回朗読会「平家物語 第百二句 扇の的」

  平家物語は歴史の里石岡市にとって最も関係が深く、大切にされるべき古典物語です。平家物語の中には現在の石岡市が教えを貰うべき内容が満載された物語です。誰もが知る「盛者必衰のことわりをあらわす。おごれる者もひさしからず」をみるだけでも明日への道標を読み取る事が出来ます。

  歴史の物語は、過去の事実を知ることではなく、未来への真実の教えを貰う事にあるのです。